おでかけアリオス。
今日は11回目の月命日。はやいなあ…
2月1-3日の3日間、メゾソプラノの菅家奈津子さんのおでかけアリオスだった。3つの小学校で、5回のコンサートを行った。
菅家さんは本来2月4日にアリオスでリサイタルも予定していたのだが、震災後の企画再編成でリサイタルは残念ながら中止、おでかけアリオスのみをお願いすることになった。事情をくみ快諾してくださった菅家さんにはありがたく、申し訳なくも思った。
今回の菅家奈津子さんのプログラムでは、途中、子どもたちに好きな歌を合唱してもらう場面があった。1コーラスめは子どもたちだけで歌い、2コーラスめ以降は菅家さんも子どもたちの列中に入り込み一緒に歌う。「昨日まで見知らぬもの同士だった私たちが、こうして歌によってつながることができる、これも音楽の持つ力の一つだよね」と菅家さんが語りかけると、子どもたちは目をまんまるくして、嬉しそうに笑ってくれる。
今日の午前中、宮小学校の1-3年生の選んだ曲は「あの青い空のように」。1コーラス目がおわって、子どもたちの中に入った菅家さんは唇をきゅっとむすび、うつむいてしまった。曲が終わると、伴奏の石井里乃さんも菅家さんもぽろぽろ涙をこぼし、なかなか言葉にならない。1年生の女の子が菅家さんに「感動しちゃったの?」と問いかけてきて、やっと笑いがこぼれた。
こうやって書いてしまうとなんだか月並みなことのようにも思えるし、出演者のほうが感極まってしまうなんてほんとはちょっぴり反則なんだけど… あまりの天真爛漫でまっすぐな歌声に不意をつかれてしまった二人の気持ちは、スタッフも含め周りにいた大人たち全員が共有していたと思う。というか、全員で胸いっぱいになってしまったのだ。
「ライブは交感である」ということを、改めて思い知ったハプニングだった。
学校でのおでかけアリオス、一部の番外編をのぞいて今年度分が全て終了したことになる。例年は40本程度だが、今年度は復興応援プログラムとして大幅におでかけアリオスの本数が増え、全部で75本となった。(あと2プログラム残ってますが)
4月に事務所業務が再開してすぐ、企画制作のメンバーで分担し市内の学校をまわって先生がたにお話を伺ったときのこと、たくさんの方から「アリオス頑張れ」と励ましの声をいただいたこと、6月に劇団ままごとのワークショップからおでかけアリオスを再開したときのこと… いろいろなことが胸に蘇ってきた。たくさんのひとに、助けられ励まされ続けながら、この11ヶ月を過ごしてきていたんだな…
感謝して、生きていかねば。
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