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あなたのまくらもとに

いまは種まきの時期。現場が少なくてさびしいけど、大事な時期。きのうは、おでかけアリオスのプレゼンテーションをさせてもらいに、いわきの各地区の公民館担当と地域振興担当の集まる会議に出席してきた。プレゼンは冒頭で終わったんだけどそのまま残って会議を傍聴させてもらった。
えーと、同じ市の仕事なんだけど… 全然きいたことない単語が飛び交っていて呆然… まあそれはいいとして。 
ある地区の地域振興担当員の男性が、始終ほえまくっていた。よくよく聴いてると「いやそれはちがうでしょ」と思うこともいくつかあったけど、その人が担当している中山間地区の厳しい現状がうっすらと見えた。ひとつのまちの中に、こんなに大きな格差がある。わたしが声を上げなければ届かない。彼はそれが自分の役割なのだと言い聞かせながら声を荒げているのかも、と思った。
会議が終わったあと、名刺を差し出したらぐっとにらまれた。めげずに話しかけたら「うちの地域では(おでかけアリオスなんていわれても)無理だよ、年寄りは交通手段もなくて動くことも出来ないんだから」と言い放たれた。このやろ。と一瞬思ったけど… 先月も行ったばかりのその地区の風景がぼわーっとうかんで、胸が詰まった。
会議を主催した課の人たちと役所に戻りながら話した。「そしたら、その地区のおでかけアリオスは、一軒一軒うちをまわってお年寄りのうちにでかけて枕もとで演奏してあげればいいんだよ」と課長さんが言った。課長さんらしいなあ、と思いながら笑ってきいてたんだけど… それが私たちに出来る唯一の方法なんだったら、そして誰かがそのことで、しあわせとかんじてくれるんだったら。
おでかけアリオスってなんだろう、と考え込むことはよくある。本当によくある。私自身には人生の中で音楽に救われてここまで生き延びることが出来ているという実感があるから、この仕事の意味と使命を強く感じている。でも、そういう経験が一切ない人にとっては、ただの「親切の押し売り」かもしれない。
全体を見渡して物言うばかりでは届かない。的外れなことを続けるわけにはいかない。
先日おでかけアリオスで、演出家の阿部初美さんが高校の演劇部の生徒達に、こんなことをおっしゃった。
「本当に自分の表現は的を得ているか、ただ自分の想像や願望を投影しているだけになっていないか。自分のこととして思いを及ばせることが出来なければ、その表現からは感動はうまれない。それどころか人を傷つけることすらある。」
まさに、今の自分につきつけられていることば。

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