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今晩はお月さん

たしか今夜は十五夜だったような気がする。
今宵は分厚い雲のむこうにいるあなたをおもうことにしましょう。

きょうの東京は嵐。徒歩5分でいける打ち合わせ場所に行くのに、手に持ってた地図を飛ばすわ傘はこわれてさせなくなるわ滅多にしないお化粧は流れ去るわ… 遭難寸前(大げさか)でたどり着いたときはおでこにびたーっと髪の毛をはりつけてました… まいった。

ゆうべは楽しみにしていた、ハンバート・ハンバート@クアトロ。
フィドル、ギター&ヴォーカルの佐藤良成さん、ヴォーカル&ハモニカの佐野遊穂さんの二人を核にした、トラッドの香りただよう、素朴でじんわりとくる音楽を奏でるグループ。
誤解を恐れずにいうけど、実はわたしはこういうひなたぼっこ系バンドが最近あまりに多くて、なんだかな〜…という気持ちだった。 しかし、6月にフィドラーズ・ビドのライブにゲスト出演してくれた彼らのパフォーマンスに、先入観を払拭された。
凛とした美しさと、いまいるここの輪郭をとかすというかつきぬけるというか… ろうそくの灯火が闇をあたため、奥深いところまでてらすような、独特の宇宙感のある音楽。はやいはなしが、やられちゃったわけです。やっぱり、ライブでみないと本当のところはわかりませんです。

彼らにとって、いつもの下北沢のハウスに比べるとおおきな空間でのワンマンライブ。ちょっとした高揚感がメンバーやスタッフに満ちていて、それもまたここちいい。客席は満杯。ほんの少し興奮気味に見える良成さん、飄々と、しかしどっしりおちついてるのはゆうほさん。いいコンビだなあ。

間仕切りしていた楽屋の壁を取り払い、まんなかにくっつけたテーブルで、おかしをつまみながら飽きることなくおしゃべりしているバンドのみんなをみて、ふっとAguriの旅を思い出したりした。

「ロング・ブラック・ベール」というアイリッシュのカバー曲「喪に服すとき」をききながら、めがねをそーっとはずして涙をぬぐっているおとこはんを発見した。そしてさらに、その様子を見ていた、彼の連れとおぼしき女性は、その涙をみつけたあと、なんとも優しい表情をにじませながら、そしらぬふりしていた。

大人になった人間はだれも、ひとつふたつ、大切にもっているのではないだろうか、悔やんでも悔やみたりない、時を経ても胸が繰り返し痛くなるような、思い出。そしてそれは、わすれられないのではなく、わすれたくないものにいつしかなっていたりして。ときどき、とりだしては、いとおしくながめてみたりして。

などとおもいながら、仕事場でまたしても涙するぺこだったわけです。

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Comments

ぺこさんのこころは本当に敏感に、いろいろなものに反応なさるのですね。
ぺこさんの優しさとか、細やかな心配りとか、まじめさとか、おおらかさとか、
それらはその敏感さによるものなのですね、きっと。
素敵な貴女に乾杯。

Posted by: もぐ | 2006.11.13 12:31 AM

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