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とむらいのうた

なおさん(ウクレレ前田氏)が、いってしまった。

ことし5月に自家移植が成功し一時退院したものの、1ヶ月後に再発。
つい先月末ドナーからの提供で骨髄移植をうけ、処置は成功したものの、
体調の回復が病気の勢いにおいつかなかった。

去年の秋、病院をたずねたときなおさんがくれた、フィンランドの絶叫系コーラスグループ「Huutajat(=フータヤ)」のCDを、きょうは現場への行き帰りにずっと聴いていた。
なんべんきいても、おかしいね。
なおさんのとむらいにぴったりだな。

一緒にすごしたのは佐渡での2年ちょっとだったけど、いっぱい思い出があふれてくる。
なおさん、ありがとう。
いっしょうけんめいいきてみせてくれて、ほんとうにありがとう。
なおさんにであえたことを、誇りに思う。

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今晩はお月さん

たしか今夜は十五夜だったような気がする。
今宵は分厚い雲のむこうにいるあなたをおもうことにしましょう。

きょうの東京は嵐。徒歩5分でいける打ち合わせ場所に行くのに、手に持ってた地図を飛ばすわ傘はこわれてさせなくなるわ滅多にしないお化粧は流れ去るわ… 遭難寸前(大げさか)でたどり着いたときはおでこにびたーっと髪の毛をはりつけてました… まいった。

ゆうべは楽しみにしていた、ハンバート・ハンバート@クアトロ。
フィドル、ギター&ヴォーカルの佐藤良成さん、ヴォーカル&ハモニカの佐野遊穂さんの二人を核にした、トラッドの香りただよう、素朴でじんわりとくる音楽を奏でるグループ。
誤解を恐れずにいうけど、実はわたしはこういうひなたぼっこ系バンドが最近あまりに多くて、なんだかな〜…という気持ちだった。 しかし、6月にフィドラーズ・ビドのライブにゲスト出演してくれた彼らのパフォーマンスに、先入観を払拭された。
凛とした美しさと、いまいるここの輪郭をとかすというかつきぬけるというか… ろうそくの灯火が闇をあたため、奥深いところまでてらすような、独特の宇宙感のある音楽。はやいはなしが、やられちゃったわけです。やっぱり、ライブでみないと本当のところはわかりませんです。

彼らにとって、いつもの下北沢のハウスに比べるとおおきな空間でのワンマンライブ。ちょっとした高揚感がメンバーやスタッフに満ちていて、それもまたここちいい。客席は満杯。ほんの少し興奮気味に見える良成さん、飄々と、しかしどっしりおちついてるのはゆうほさん。いいコンビだなあ。

間仕切りしていた楽屋の壁を取り払い、まんなかにくっつけたテーブルで、おかしをつまみながら飽きることなくおしゃべりしているバンドのみんなをみて、ふっとAguriの旅を思い出したりした。

「ロング・ブラック・ベール」というアイリッシュのカバー曲「喪に服すとき」をききながら、めがねをそーっとはずして涙をぬぐっているおとこはんを発見した。そしてさらに、その様子を見ていた、彼の連れとおぼしき女性は、その涙をみつけたあと、なんとも優しい表情をにじませながら、そしらぬふりしていた。

大人になった人間はだれも、ひとつふたつ、大切にもっているのではないだろうか、悔やんでも悔やみたりない、時を経ても胸が繰り返し痛くなるような、思い出。そしてそれは、わすれられないのではなく、わすれたくないものにいつしかなっていたりして。ときどき、とりだしては、いとおしくながめてみたりして。

などとおもいながら、仕事場でまたしても涙するぺこだったわけです。

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TRAVESSIA 秋のお仕事 番外編〜Jazzin'の巻

日付は昨日になってしまいましたが、
山本容子さんの新刊「Jazzin'」が発売になりました。
ジャズのスタンダード(厳密に言うと違う曲もあるけれど)をテーマにした銅版画とその曲に因んだエッセイ集。
せっかく音楽がテーマなのだから、その曲をおまけにつけちゃおう!というわけで、24作すべてを収録したCDがついた、キュートな音楽図鑑です。
プロデュースの谷川賢作さんのお声掛けで、TRAVESSIAぺこはレコーディングのお手伝いをさせていただきました。「夏の散歩道」から戻って間もなくのことでした。

収録曲のうち12曲は、東京と大阪のプロのミュージシャンによるスタジオ・レコーディング。
そしてあと半分の12曲は、プロの卵やアマチュアのプレイヤーによる、ライブ・レコーディング。
種を明かせば、少しでも売価を抑えるための経費やりくり… という事情あってのコーディネイトでしたが、
これがほんと、楽しかったのなんの…

ライブは、7/26に「公園通りクラシックス」で、一般のお客さんもはいって、なんと1マイク録り!
はじめてのレコーディングに緊張してしまうプレイヤーもいたけれど、
「うーん…もう1テイクいっとくか〜?」ってのもご愛敬。
爆笑あり、野次あり、スタンディング・オベーションありの大盛り上がり。
翌7/27は一転、プロの皆さんの「流石」なプレイで粛々と8曲をレコーディング。
すごいよ、付録だからってなめるでないよ。
渋谷毅さんでしょ、中牟礼貞則さんでしょ、吉野弘志さんでしょ、黒田京子さんでしょ、さがゆきさんでしょ、太田恵資さんでしょ、それからそれから… 
一緒にアシストしていた山本さんの事務所のスタッフと二人、入れ替わり立ち替わり繰り広げられる名演に鳥肌ざぶざぶ立ててみたり、落涙してみたり…
そしてさらに翌日賢作さんは大阪へ飛び、4曲のレコーディングに立ち会い。
8月の半ばにはマスタリングまで終了… はやっ!

CDという板の上には72分ぶんの音しかのっからないので、1曲ずつの時間調整も大変でしたが、
なんとか、なんっとか、全曲無事に収録できました。
ようやくできあがった本は、このとおり、すごーくかわいい!
これで2,800円はちょっと安すぎとちゃう?

本屋さんでみかけたらぜひ手にとって… そのままおうちまで連れて帰りましょう。
巻末のスタッフクレジットにTRAVESSIAの名前も載っけていただけちゃったので、「東京であそんでるわけじゃないのよ〜」というアピールも兼ねて、もうすぐ39回目の結婚記念日の両親にプレゼントしようかな〜とおもってます。

10/15には丸の内・コットンクラブにて出版記念ライブもあり。いま準備の真っ最中です。
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