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「すき」

先月出版された、谷川俊太郎さんの子ども向け(?)書き下ろし詩集「すき」(理論社刊)を読んだ。

近年の作品の中でも一番好きな一冊になった。
なんかもう… 森羅万象と直接会話しているかのような、というか…
草花を揺らす風も、水の冷たさも、星の瞬きも、すべてが自分の生命とつながっている、
ということを、すごくリアルに感じておられるのではないだろうか。
いっぱいなみだがでました。

子どもの頃から大好き、俊太郎さんのひらがなだらけの詩。
ぱっと頁を開いて目で追うと、ちょっと呪文みたい。
声に出して読んでみると、謎が解ける。
そして心は、朝の食卓、森の中、深い闇夜、宇宙、過去、未来…
どこにでも自在に飛んでいく。
うん、やっぱり、魔法の呪文なのかもしれない。

わたしの倍以上の時間この世に生きているのに、ちっこい目の奥には、そんじょそこらの若者よりもはるかにみずみずしい光がたたえられている。たまらなくちゃーみんぐで、ちょっとせくしーでもある。
目があうと、小娘のようにどきどきしてしまい、ほんとうになにもいえなくなる。(あほや… ちゃんと仕事せんかいっ。というわけでいつも業務連絡がせいいっぱいなのである)

来月、「夏の散歩道」という企画で、俊太郎さんとご一緒することになっている。詩と音楽と絵のコラボレーションというサブタイトルで、昨年発売されたCD付き詩画集「あのひとがきて」をテーマに舞台や展覧会、ワークショップをおこなう企画。いまは賢作さんや演出の久次米さん、照明の芦辺ちゃんたちと、どんな構成のコンサートにしようか考えている最中。
こんなこと、わざわざ舞台でやらなくても、という思いも、実はある。 
だって、それぞれの人の心の中に広がる響きはその人だけのもので、それにまさる美しい風景を描き出すことはとてもできないのだ。
じゃあ、なんでやるのかって? 
心の中のそのまた奥で、もしかすると、私たちはつながっているかもしれない、そしてひょっこり、隣の席のひととであえるかもしれない…
なーんてね。小難しいことはぬきにしても、俊太郎さん、賢作さん詩人の覚和歌子さんうたの高瀬麻里子さん、それぞれにほんとうに素晴らしい表現者。
彼らと一緒に過ごせる時間をたっぷり楽しんでほしいなあ、と思うわけです。

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