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IMAGINE

東京から遊びに来てくれた友人と一緒に、広島現代美術館で行われている、オノ・ヨーコの展覧会「YES」をみにいく。わたしは2度目である。

オノヨーコといえば、「ジョンレノンの奥さん」くらいの認識しかなくて、正直言ってかなりおどろいた。
60年代、アメリカに渡り、ジョンケージらとともに「フルクサス」という前衛運動をおこなっていた頃、そして世にも知られるジョン・レノンとの反戦活動、そして彼の死後現在に至るまで… と大別できるそれらの作品群に共通したメッセージは、展覧会のタイトルでもある「YES」という言葉にもあらわされるように、シンプルにして深く、光溢れる自由さ、だとおもう。

「A BOX OF SMILE」という作品がある。
銀色の小さな箱はからっぽで、底には鏡が入っている。おだやかに光るその箱をのぞき込み顔をうつすと、そのタイトルに導かれ自然と笑みが浮かぶ。

自分の内側と向き合うという行為は、底しれぬ暗闇に目をこらすような、そして痛みをともなうものだと、ずっと思っていた。
彼女の導きによってまなこをひらいてみたとき、そこにはどこまでも青い空がひらけていた。

あの銀色の箱の中に映しこんだほほえみを、これからわたしはどのように体現し、人々と分け合うことができるだろうか。

http://www.new-york-art.com/Artist-Yoko-Ono.htm

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ふきみそ食べたい!

と思い立って、ビニール袋を手に近所の山を散策してみた。

佐渡で、このくらいの季節にちょっと湿気のおおい斜面をみると、枯れ草の間からふきのとうがぽこぽこでていて、それを摘んではてんぷらにしたり、ふきみそにしたりして楽しんでいたのだ。(わたしはどちらかというと食べる専門だったかな?)
きょろきょろと1時間ほど歩いたが、なかなかみつからない。この枯れ草だらけの山肌に、あのやわらかい緑色が目立たないわけないのだ。
探し方が悪いんだなきっと、と思い、もうすこし湿気のある斜面をさがしてみた。すると、たんぼの脇ちょっとした空き地に、ようやく、2つ3つみつけることができた。…しかし、時すでに遅し。すっかりとうが立ってしまっていた。
そーだよここは広島だよ… おどろいたことに、ふきのとうどころか、おおいぬのふぐりや、なずなまでかわいい花を咲かせている。
そして、遠くの山がすこしかすんでいる。もしかして黄砂かなあ。

佐渡にいた頃、一番好きだったのは春だった。
冬のモノトーンの風景に、椿が赤く咲き始め、木々が新芽をふくらませてほんのり赤く色づき始めたかと思うと、ふきのとう、水仙… ほどなく、食卓には山菜が入れ替わり立ち替わり並び始め、梅、桃、桜と一気に花の季節を迎えるのだ。

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コブラ!

ゆうべは、広島在住のコンポーザー&パフォーマー、寺内大輔さんからの案内で、
「コブラ リハク作戦」なるライブをみにいった。
会場は立町のジャズバー「Rihaku」。
姑息なインテリアやあやしげな照明なんかがあるでなく(実はちょっとにがてなのだ、熱帯魚とかブルーな照明のバーって)、シンプルで心地よい雰囲気のハウス。ライブがない夜にもまた来たいなあ。

舞台エリアには、グランドピアノの周りにいすが扇形に配置され、その向かいのテーブルには、ボール紙製のプラカードやら、こちょこちょとした鳴物やら迷彩色のキャップやらサンバイザーやらがおいてある。
むむ。なんじゃこりゃ。でも寺内さんがやらかしてくれることだ、きっと、眉根をひそめるような息苦しいライブでないことだけは確かだろう。

「コブラ」とは、ユダヤ系のアーティスト、ジョン・ゾーンが作曲(?発明?)した、インプロ・ピースなのだそうである。
いわゆる「楽譜」は存在せず、10名ほどの思い思いの楽器をもちよったプレイヤーが、プロンプター(指揮者のようなものか)から出されるカードにかかれたルールにそって即興演奏をおこなうというもの。
プレイヤーはプロンプターの指示をただ受けて音を出すだけではない。カードの指示の中には、「自分のモチーフを模倣してつないでいく人を指名する」というカードもあるらしく、指名して欲しいプレイヤーは挙手してアピールしたり、「つぎはこんなカードを出せ」とプロンプターに指示を始めたり、挙げ句は「ここからはあたしがプロンプターだ!」とポジションを奪還する「ゲリラ」なるブレイクもある。(ゲリラタイムに、前述の迷彩キャップをかぶるらしい)

1時間半弱の時間を、途中短い休憩を挟みながらプロンプターを入れ替えて演奏。プロンプターの個性が反映された構成になる、というような単純な変化だけでなく、おのおのの出すモチーフの雰囲気も変化していくし、曲が進むにつれプレイヤー一人一人の中に充満していくエネルギーが、プロンプターの意志をも御していく感じ。
あまりに展開がめまぐるしすぎて「ちょっとみんな、音楽ちゃんと聞いてる!?」ってシーンが何度かあったようにも思うが… 
でも「この場をあたしゃ死んでもなげださないよ!」という気概は感じることができて、楽しかったです、寺内さん。

昨年4月、パリの「Buffes de node」でみた、レオナルド・リュバ・ユニットによる衝撃のインプロを思い出した。
あんときはほんとにすごかった。15人ほどのプレイヤーによる完全即興。
リュバおじさんがいちおうコンダクター的なポジションにはいたものの、その指示も一つのモチーフ提示にすぎない。15人全員が、驚異的なテクニックと敏感な耳を駆使し、4次元から俯瞰するようにして音楽をとらえながらパフォーマンスしている。偶然にして必然とは、このことである…
同じ客席にいた岩下徹さんが、帰り道、横断歩道をわたしながら「やっぱり、インプロだよなっ!!!」とつぐっとチカラのこもった声でおっしゃっていたのを思い出す。

あー、あのときのことを思い出すと、今でも興奮してしまう。
やっぱ、インプロだよなっ!!!!

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